【認知度は上げてはいけない!!】ブランド戦略を語る上でよくある勘違いについて

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KDDI web communicationsの高畑さんのブログ記事「認知度を上げる、という考え方」を読んで、思うところがあったので、記事にしてみます。

「認知度を上げたら売れるようになるの?」っという文脈はこの記事に書いてあるとおりです。でも、よく勘違いされていて、もっと大事な概念は、「認知度は極力上げてはいけない」ということです。

認知度を上げるのは簡単だ

*露出を高めてしまえば、簡単に認知度を上げることはできます。 リスティング広告を出す、ディスプレイ広告を出す、テレビCMを打つなど、広告予算をかければいくらでも認知度をあげることはできます、でも無駄に認知度だけ上げて、売上に繋がらなかったらどうなるか、それは機械損失**につながります。

認知度が低いということは、今後アプローチできるパイが多く残っているということ

認知度を上げて、みんながそのサービス・商品のことをもっと知ってくれればもっと売れるだろう、、という考えは最もです。ただし、前述の記事通り「認知度が上がれが売れる」という条件の元で、ですが。

認知度が低い、ということは、まだ知らない人にアプローチする余地が残っているということで、今後の成長を大きく見込めるでしょう。ですが、認知度が上がりきってしまえば、もうそれ以上アプローチできるターゲットはいないわけで、今度はすでに「知ってるけど買わなかった人」に対してアプローチしなければいけません。

コカ・コーラの認知度を今以上に上げられますか?

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コカ・コーラといえば、誰もが知っている炭酸飲料ですが、このブランドの認知度は90%くらいはあるのではないでしょうか?「認知度が上がれば売上が伸びる」としても、コカコーラの認知度はこれ以上は伸びません。

知らなかった人なら「こんなにいい商品・サービスがあるんだ!」と思ってもらえれば買ってくれる可能性は有りますが、すでに認知されてしまっている人にとっては「買う理由」を明確にしてあげなければ売上は伸びません

すでに知っている人にとっては、以前認知した時に買わなかった理由があるはずです。 その買わなかった理由を上回るメリットを用意しなければいけないのです。

知名度抜群のメルセデスベンツは何に困っていたか?

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コカコーラ同様に、メルセデスベンツもほぼ100%に近い認知度を持つブランドですが、メルセデスの場合はもっと深刻です。

みんなベンツといえば、「高級車」というイメージが多く、ブランド自体は認知していても「私のような貧乏人には関係の無い富裕層の為の商品だ」という先入観がついてしまっているため、どれだけコストをかけて広告を出したとしても、これまでベンツに興味の無かった層には「私には関係ない」とアプローチ出来ない、というジレンマがコレまでありました。

最近では、低価格帯のAクラスのモデルチェンジや、CMにアニメを起用したりと新しいユーザー層の獲得にも成功しているようですが、認知度が上がりきってしまうと、このように「新しい事を伝えたくても、伝わらない」というジレンマがあります。

参考:http://business.nikkeibp.co.jp/article/opinion/20131203/256588/?P=1

「誰も知らないのに売れている」が理想

極論を言えば、世の中で全く認知されていないのに売れていて、それでビジネスが回っているという状況が一番な理想型です。

すでにその商品を知ってる人にありきたりな広告を出したところで「あーあれね、知ってる知ってる。でも◯◯でしょ?」と買わない理由が先に来てしまいます。

前回認知してもらった時以上に魅力的に見えるキャッチコピー・宣伝文句を持たないと、「もう知ってるよ」で済んでしまうのです。

一方、認知度を挙げずに売れているのであれば、簡単に認知度を上げることはできますので、「こんないい商品があったんだ!使ってみよう」とか「詳しく調べてみよう」という心理になってもらうことができます。

難しい話なので、説明もうまくまとめきれていない感がありますが、なんとなくでも「認知度を挙げずに売上を増やせるなら、そのほうが断然いい」と理解していただけると嬉しいです。