【重複コンテンツSEO問題】wordpressのアーカイブページをnoindex nofollowするかどうか、よりもっと建設的な話をしよう
先週から、wordpressのアーカイブページ(記事一覧ページ)をnofollowやnoindexにするべきか、という議論が活発に行われていますね。
元をたどれば先月のENJILOGさんの記事から端を発していると思われるこの議論。
この議論、個人的には「しょうもないな」という印象です。 議論の方向性がおかしな方向に進んでしまっているような気がします。今回は、このアーカイブページをnofollowにするべきかどうかがどうして不毛なのか、という理由を詳しく説明します。
nofollow、noindexとはなにか?
まずは、用語のことをきちんと理解しなければ話がすすみませんので、nofollowとnoindexとはなにか、を説明しておきます。
nofollowとは、「(何かの意図で)リンク貼ってるけど、このリンクはたどる価値が無いですよ」「このリンク先は信頼が置けないですよ」とgoogleに伝えるための記述方法のことを言います。
たとえば、炎上してる記事について言及するからリンクは張るけど、価値の無いページなのでページランクを分け与えたくない、とか、何かの事情でアダルト(とか公序良俗に反する)サイトにリンクを貼るけど、自サイトの評価を下げたくない場合、に使います。
noindexもおなじように「このページは検索エンジンにインデックスする価値が無いですよ」と伝えるための記述方法です。
何が問題か?
重複コンテンツになるからといって、アーカイブページにこのような記述をするということは、「このアーカイブページはインデックスする価値がなく、信頼がおけないですよ」とgoogleに申告しているという事になります。
そのアーカイブページに価値が無いのであればnofollow、noindexの記述で問題は無いわけですが、はたして本当に価値が無いのでしょうか?
アーカイブページの価値とは?
wordpressにはいろいろなタイプのアーカイブページがあります。日付別アーカイブ、月別アーカイブ、年別アーカイブ、カテゴリアーカイブ、タグアーカイブなどです。
これらのアーカイブページは、たしかに、同じ記事軍をいろいろな観点から並び替えてリスト表示させているだけなので記述内容は基本重複します。重複コンテンツとして扱われやすい、というのは事実としてあります。でも、だからといって無価値なページなのでしょうか?
そのブログの記事を日付順に見たい人には、月別アーカイブや年別アーカイブは非常に使い勝手がいいものでしょう。特定の話題に関する記事だけを読みたい人に取っては、カテゴリアーカイブやタグアーカイブページは非常に有用なものでしょう。
閲覧者に取って必要だからそのアーカイブページが存在するわけです。だから、noindex、nofollowとしてしまうと、本来は価値のあるページなはずなのに自分から「このページは価値が無いです」とgoogleに申告してしまうことになるのです。
noindex nofollowが好ましくないのは分かった、でも重複コンテンツ扱いされるのはどう回避すればいいの?
この問の答えを考える時、グルメ系口コミサイトでSEOに圧倒的に強い食べログのSEO対策にヒントがあります。
食べログにもエリア別のアーカイブや、キーワード別のアーカイブがあります。これはwordpressと構造的にも少し似ていますね。
これらのアーカイブページも、固有の店舗ページを探しやすくするための一覧ページであり、表示内容は基本的には重複しますので、同様の問題が発生しやすいですよね。それを食べログはどう回避しているのか?
重複コンテンツがまずいなら、重複させなきゃいいじゃん、っていう至極まっとうな結論を食べログは実践
その答えは至極まっとうで至極簡単なのですが、「コンテンツを重複させない」です。
「名古屋 合鴨」と調べた場合に一位にに表示されている食べログのページはこんなかんじです。
一方「名古屋駅 グルメ」と調べた場合の検索結果1位のページは以下です。
似たような店舗一覧ページですが、掲載されている情報が全く違うことがおわかりいただけますか??
「名古屋×合鴨」ページでの表示内容
まず最初に気づくのは、このウィキペディア引用部分ですね。普通に「名古屋で合鴨料理」の店舗リストを一覧表示させると、コンテンツのほとんどが重複することがわかりきっていますので、キーワード別ページでは、そのキーワード(今回の例で言うと「合鴨」)に関する説明を独自に追加することで、エリア別の一覧ページとはコンテンツが変わるように設計されています。
引用ばかりのつぎはぎのコンテンツでSEO上位表示できるのか、というトピックが最近話題になったこともあり、wikipediaからの引用で効果があるのか、という意見もあるとは思うのですが、今回の着目点は、そういうことではなく、アーカイブページ同士が重複しないように、そのキーワードに関連する独自なテキストを追加することで、重複を回避する、という手法に着目して欲しいと思います。
また、店舗一覧部分は以下の様な表示になっています。
店舗名や口コミ点数などの基本情報の下には、口コミのなかから「合鴨」というキーワードに合致するテキストをひっぱてきています。 ただ店舗情報を並べただけだったらここは他のアーカイブと重複してしまいますので、キーワードに特化したテキストを表示させることで、重複コンテンツを回避する、という考え方をとっていることが分かると思います。
「名古屋駅 グルメ」で検索したページでの表示内容
先ほどはキーワードと合致した口コミが引用されていた部分に、空席情報が表示されているのが分かるかと思います。 また、下には、基本情報に掲載されている店舗の紹介文が表示されるようになっています。
先ほどのキーワード別一覧ページとは表示内容が違う事が分かっていただけるかと思います。 店舗の詳細情報はもちろん重複していますが、それ以外の部分はまったく別のコンテンツを表示しているので、アーカイブページ同士で重複しなくなっています。
アルコブログさんで、食べログのSEO手法について解説した記事がありますので、詳しくはこちらを見ていただければわかりやすいと思います。
wordpressで実際に似たような対策を実現する方法
一覧情報内のコンテンツをアーカイブの種類別にだし分ける、というのは少し複雑なカスタマイズが必要になるので今回は少し置いておいて、ここでは食べログでいう「wikipedia」からの引用部分の様なものを、カテゴリアーカイブやタグアーカイブに表示する方法をご紹介します。
ちなみにwikipediaから引用する、というのは個人的には好ましくないと思いますので、今回は人力で文章を用意して挿入する、という運用方法を想定しています。
皆さん意外とご存じないと思うのですが、wordpressの「カテゴリ」や「タグ」には、説明を追加出来る機能がデフォルトであるんです。
wordpress管理画面の左メニューの「投稿」→「カテゴリ」もしくは「タグ」をひらくと、こういう画面になると思いますが、この「説明」欄を使用します。 説明書きの通り、この項目を入力してもウェブサイト上には反映されないテーマ(テンプレート)がほとんどなのですが、この枠を使用することで、食べログのwikipedia引用の様な機能を手動で実現します。
説明を追加したいタグの編集画面を開いて、ここに説明文を書きます。
このままではただ説明文が保存されただけでどこにも表示してくれませんので、こんどはテンプレートファイルをいじって、この説明文を表示させるようにします。
/wp-content/themes/テーマ名/にあるテンプレートファイルを編集するのですが、どのテンプレートを編集すればいいかわからない方は、Show Current Templateというプラグインを使うと、今どのテンプレートファイルを使って表示しているのかが、わかりますので、該当のファイルを開いて編集してください。
最近話題のテンプレートStinger3の場合は/wp-content/themes/stinger3ver********/archive.phpですね。 カテゴリの場合は、基本的にはarchive.phpかcategory.php、タグの場合はarchive.phpかtag.phpというテンプレートになるかと思いますので、該当のテンプレートファイルに、以下の様に記述します。
<?php if(!is_paged()):?></p> <?php if(category_description()):?> <div class="category_description"> <?php echo category_description(); ?> </div> <?php endif;?> <p><?php endif;?>
挿入する箇所は任意でいいのですが、例えばstinger3で「◯◯」一覧というタイトルの下に追加したい場合は、</h2>(カッコは半角)の下の行にかけば大丈夫です。
一応このコードを説明しておくと、1行目と最終行のif文で、ページネーションで複数ページされた場合は、2ページ目以降には表示させないようにしています。 2行目のif文で、カテゴリorタグの「説明」が存在していた場合に表示する、という条件分岐。 3-5行目で、「説明」を出力しています。
あとは、CSSなどで見た目をうまく整えれば、
(参考URL:http://design-gallery.biz/tag/フラットデザイン/)
こんなかんじで各カテゴリやタグごとに説明文を追加することができます。
まとめ
アーカイブページは確かに重複コンテンツになりやすい項目ですが、一概にnoindexにするべき、とかnofollowにすするべき、とはいえないのが現状で、サイトのジャンルやターゲットユーザー層によっても最適な手法は変わってきます。noindexしたほうがいいと思う人は好きにすればいいと思うのです。
でも、ここで重要なのは、「重複するからnoindex」という短絡思考ではなく、「重複させず、ユーザーには利便性のあるページとするにはどうすればいいのか」と考えることが必要なのではないのでしょうか??
今回紹介した方法で本当に効果があるかどうか、とか、もっといい方法があるのではないか、という議論は当然出てくると思います。でも、議論を進める方向性が違う、っていう部分はご理解いただけたのではないでしょうか?
少しでも皆様のホームページ運営のヒントになれば幸いです。